美容外科のノウハウ
どんな世界でも、はじめて飛び込んだ人は右も左もわからず-なにが正しくてなにが間違っているかの基準も持っていません。
最初に行ったクリニックでの対応が「普通」なのだと思い込みがちなのです。
最低でも-軒まわってみれば「あのクリニックだけちょっと変だったかな?」という感触がつかめるはずです。
そうすれば悪徳なクリニックに引っかからずにすみます。
受診したクリニックのなかでもっとも手応えを感じたところに改めて話を聞きにいけばいいのです。
これまでに受診したなかで1日分なりにベストだと思ったクリニックに目星をつけておいてー新しく受診するクリニックと比較すればー基準を見失わずにすむはずです。
技術や実績面で甲乙つけがたいドクターがふたりいるとしたら、あとは患者さんとの相性の良し悪しで選択するのがベストでしょう。
どちらの先生のほうが話をしやすいが1日分の要求を訴えやすいかは実際術後の経過をみるうえでも重要な判断基準になります。
ちょっとしたことでもドクターに突っぱねられたと感じたらそれきり患者さんはナーバスになってなにも言えなくなってしまうこともよくあります。
わりと多く見られるのが「なりたい自分」が現実の自分とかけ離れ過ぎている人です。
しかも-漫画に出てくるような非現実的な理想像をひとりで勝手につくりあげて、そのイメージどおりにしてほしいと訴えられてもーイメージと共通の土台がその人になければ-どこにどれだけ手を加えても理想には近づきません。
たとえばお母さんが自分の息子さんを連れてきて「キムタクそっくりにしてほしい」と依顧してきたことがあります。
「キムタク風にしてほしい」というなら、まだ少しは可能性がありますが-本人と似ても似つかない人物を理想にしてもーできないものはできません。
そのようにはっきり申し上げると「そっくりにできないのはわかりました。
でも-なるべく近づけてほしい」とおっしゃいます。
美容外科でできるのはパーツ単位の改善にすぎません。
目、鼻、頬、顎などを部分的にキムタクに似せたからといって、キムタクそっくりになるわけではないのです。
頭がい骨そのものの形状が個人でまったく異なるのですからいくらパーツごとに似せたとしても本人が満足できるような結果にはなかなかならないのです。
また1人から2人に1人の割合で精神的に不安定な患者さんが1日分の顔を変えてほしいと言ってカウンセリングを受けにくることがあります。
こういう方は日によって気分が変わるので希望もカウンセリングのたびにコロコロ変わります。
なかでも粘着傾向が高い人は、1日に何時間も鏡で自分の顔をじっと観察しながら、気に人らないところを見つけたり「他人が自分の顔について悪口を言っているのが聞こえる」と言ったりします。
男性ではなぜが鼻にこだわる人が多いようです。
「自分の鼻の形や低さが気になってしかたがない」という男性はデータ的にも精神性疾患の確率が高いといえます。
女性の場合は目を気にする人が多いです。
私のクリニックでは-こういう患者さんの施術はすべてお断りしています。
なぜならーこのような患者さんは決して治療に満足することなく半永久的に美容手術をくり返すことが目に見えているからです。
また1日の焦点が合っていない、相手の目を見て話さないなど明らかに様子がおかしい場合には神経内科の受診をおすすめすることもあります。
なかには、患者さんへのサービスとして本来病気ではないホクロでも、良性腫癌という病名をつけて保険診療扱いにしたり病気とはいえない軽度のワキガでも保険診療したりしているクリニックがあるようです。
患者さんにしてみればありがたいことかもしれませんが、国民の支払っている保険料を個人的な賓沢のために適用すれば、医療費の国民負担はますます高まっていきます。
ここは医師としてのモラルが問われる点でしょう。
美容外科医になるにはまず、 6年制の大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格しなければいけません。
ここまでは当然、一般の医師と同じプロセスをたどります。
その後、 2年間の卒後研修(25年現在では必須とされている)を受けてから、自分の専門分野を選ぶことになります。
研修後、すぐに大手美容外科に勤務する場合と、大学の形成外科や麻酔科で勉強してから美容外科に進むケースがほとんどです。
緊急性がないということは、患者さんは医師を選ぶのに時間をかけられるので、印象の良くない医師や説明が下手な医師は患者さんから選ばれません。
医療費は患者さんが自己負担するので、治療に対する要求度はかなり高くなりますし、内臓ではなく体の表面部分に手を加えるので、失敗はすぐに分かってしまいます。
以上の理由により、カウンセリング能力、美的センス、医療技術の3拍子がそろわないと、信頼できる美容外科医とはいえません。
ほんの1。
年前までは、美容外科医自体の数がまだ少なかったので、それほど能力が高くなくても生き残ることができたようですが、ここ数年で美容医療のニーズがぐんと高まり、より多くの情報が発信されるなかで、施術に関する正しい知識や信頼できるクリニック、ドクターを選ぶ知恵なども徐々に増えつつあります。
患者さんの知識レベルが上がっているので、それに見合わないクリニックやドクターは淘汰される時代になってきています。
どの美容外科クリニックでもたいていは無料カウンセリングを行っています。
必ず予約が必要です。
予約の申し込みは電話かあるいはメールで受けつけているクリニックもありますが-なるべく合理的に進めるためにただ予約を入れる連絡をするだけではなく、特にそのクリニックで受けたい施術についての概要や施術料金の目安などを予約時に確認してカウンセリングに行って間違いないクリニックかどうかを判断することも大切です。
なかには初診料が発生し、健康保険証の提示を求めたりするような美容外科クリニックもあるので予約時に確認をとるとよいでしょう(美容外科診療は保険適用外です)。
電話の対応に疑問を感じるようであればそのクリニックは候補から外してほかのクリニックに当たってみたほうがよいでしょう。
ホームページを持っているクリニックではメールによるカウンセリングを行っている場合もあります。
ドクターと直接会う前に確認できることはメールですませておけば、より効率的にドクター選びとカウンセリングを進めることができるでしょう。
自分の体のどの部分をどのようにしたいがをドクターに相談します。
希望と予算に合った施術をドクターがピックアップし、施術に関するインフォームドコンセントを行います。
具体的には、術後の合併症やデメリットなどのリスク麻酔方法、手術方法、術後の経過、アフターケアなどについての説明です。
疑問や不安もこの時点で解決しておきましょう。
豊胸術や脂肪吸引では術後のプロポーションをコンピューター・グラフィックでシミュレーション画像として確認するプロセスを設けているクリニックもあります。
患者さんの写真をコンピューターに取り込んで希望のサイズや形状を作成し、画面上でボディーデザインを行います。
ドクターと丁寧に話し合ったうえでー手術を受けるがどうかを患者さんが決めます。
豊胸術、脂肪吸引、その他メスを用いる施術を受ける際にはー問診と血液検査を行います。
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